INTRODUCTION

『MADE IN JAPAN —こらッ!—』とは

「プロと学生が共同で映画を企画・製作していく」という、京都造形芸術大学映画学科の一大プロジェクト「北白川派映画芸術運動(下記参照)」の理念に則り作られた、北白川派第二弾作品です。

悪意と皮肉と寂しさと笑いに満ちあふれた、崩壊していく家族の姿。

そんな現代のリアルを、本学科教授でもある、高橋伴明監督(『禅-ZEN-』(08年)、『BOX 袴田事件 命とは』(10年))のもと、当時4回生だった和間千尋が完全オリジナルの脚本として書き上げました。そして主演には1回生の大西礼芳が抜擢され、ダブル主演の松田美由紀さんと共に迫真の演技を披露。
 さらにスタッフにも50名の学生が起用され、助監督や撮影・照明・録音の助手、美術スタッフやメイクなどさまざまな部署で活躍しました。こうして学生×プロの「映画製作の新しいカタチ」が実現したのです。また、「作るだけが映画じゃない、観せるまでが映画である」という考えのもと、配給・宣伝まで学生が行っています。

監督自身が「ばちあたりな家族の話」と呼ぶ、崩壊、迷走する家族の物語。
まさに【日本製】の名の示すとおり、新しい“日本版ホームドラマ“が、ここ京都に誕生しました。

北白川派映画芸術運動について

北白川派映画芸術運動(以下北白川派)とは、映画を通して新たな芸術運動の狼煙(のろし)を上げるために、京都造形芸術大学映画学科から立ち上がった一大プロジェクトです。映画学科が一丸となって、その全機能を駆使しながら、プロと学生が共同で毎年一本の劇場公開作品を完成させて発表します。将来的には学生が監督することも視野に入れながら、「大学は映画の現場と同じ」であるという理念のもと、本物の映画を企画・製作しています。

第一弾作品は、木村威夫監督『黄金花—秘すれば花、死すれば蝶—』(08年 主演:原田芳雄・松坂慶子)です。この作品にも出演者・スタッフとして本大学の学生が参加しています。第二弾は今作、高橋伴明監督作品『MADE IN JAPAN-こらッ!-』。ただいま第三弾、山本起也監督『カミハテ商店』(出演:高橋惠子、寺島進)を製作中。また現在、第四弾として林海象監督『生きるあかし』(2011年夏撮影予定)を企画進行中。

学生×プロ

プロが学生を支える

撮影日数約20日、製作費約500万で作られた『MADE IN JAPAN—こらッ!—』。
短期間・低予算で約90分の劇場公開用の作品を撮ったということもこの作品の魅力の一つですが、もうひとつ大きな魅力として「学生とプロが共同で作った作品」だということが挙げられます。

一般的に、「プロと学生が共同で作った作品」と言っても監督・脚本・主演は全てプロがやり、学生が参加といってもエキストラや雑用ばかり……というのが現状です。
しかし、『MADE IN JAPAN—こらッ!—』はそんな作品とは違います。
脚本は当時4回の和間が担当。大西もW主演として松田美由紀さんと親子役を好演しました。他のキャストも、ほとんどが学生なのです。そんなまだ未熟な部分がある学生を、本大学教授であり、世界的にも評価の高い高橋伴明監督がまとめあげ、ひとつの作品としてかたちにしました。
 スタッフ・キャストあわせて総勢50名の学生が参加した今作。その数は北白川派第一作目『黄金花—秘すれば花、死すれば蝶—』を大きく上回りました。カメラ・照明・録音・美術……各部にプロがつき、一緒になって学生が動く。学生の考えをかたちにするため「プロが学生を支える」という新しい形。これこそが、本当の意味での「学生とプロが共同で作った作品」ではないでしょうか。

そして「観せるまでが映画である」という考えのもと、宣伝・配給まで学生が行うという新しい試みが今作から始まりました。新しい魅力の詰まった『MADE IN JAPAN—こらッ!—』をたくさんの人に見てもらいたい、その一心で全国配給を目指しています。

「21歳の女性」が書いた家族の物語

和間千尋が今作の脚本を書いたのは3回生のときでした。当初は学科のゼミの作品用として書いたものでしたが、それを読んだ高橋伴明監督が目を付け、1年近くかけて17回改稿し出来上がったのがこの『MADE IN JAPAN—こらッ!—』なのです。

そんな21歳が書いたのは、崩壊する家族の話でした。21歳の和間の目には現代の家族は、どう映っていたのでしょうか。
この映画に出て来る家族は表面的には普通の家族です。しかし一枚めくれば温かくもなく、家族みんなが自分勝手。愛されたい、という気持ちが強く出るあまり子供じみた行動に出て、周りの人を困らせる。最終的に家族はバラバラになり、みんな一人で生きていく。
観た人は思わず、そんな家族に「こらッ!」と喝を入れたくなるのではないでしょうか。

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